東京高等裁判所 昭和53年(行ケ)32号 判決
特許庁における手続の経緯、本件商標及び引用商標の構成並びに指定商品がおのおの審決認定のとおりであることは当事者間に争いがない。
成立について争いのない甲第九号証の一ないし三(審判における甲第一二号証の一ないし四―化学大辞典第一巻第八四七頁ないし第八四九頁)によれば、「EXO」が語頭に存する場合、これが「エキソ」と発音されることがあることが認められるが、右甲号証は化合物名等の片仮名表示の例を示すものであつて、一般的には「EXO」は、「エクソ」、「イクソ」又は「イグゾ」と発音されることは、成立について争いのない甲第七号証、第一〇、第一一号証の各一ないし三(英和辞典、仏和辞典、独和辞典)によつて認め得るところであり、しかも本件商標は「EXXON」の欧文字を横書きしてなる造語であつて「X」が重なる特異な綴りであるうえ、原告会社は世界最大の石油会社であり、本件商標はその周知の商号の要部をもつて商標とするものであることは当事者間に争いがないから、右のような事情を勘案するときは、前認定のように化合物名等において「EXO」が「エキソ」と発音されることがあるとしても、本件商標「EXXON」が「エキソン」と発音されることはないものと認めるのを相当とする。このことは、成立について争いのない甲第一二号証ないし第一二〇号証によつて認められる、原告会社及びその商号中に「EXXON」の表示を有する原告の系列会社は、わが国においてすべて「エクソン」と呼ばれ、「エキソン」とは称呼されていない事実(ただし右証拠はいずれも本件商標登録出願当時の原告会社及び系列会社の称呼を示すものではない。)によつても支持される。
右のとおりであるから、本件商標からは「エキソン」の称呼も生ずるとし、これを引用商標の称呼から生ずる「エキソ」と比較して両商標は類似するとした右審決は事実の認定を誤つた違法なものといわなければならない。
〔編註〕本件に関する商標は左のとおりである。
本件商標
<省略>
引用商標
<省略>